営業車を保有する事業所には必ず人選されている「安全運転管理者」。安全に営業車を運用するために、安全運転管理者には法律で義務付けられた業務が数多くあります。どの業務も重要ではありますが、その中でも事故を未然に防ぐために特に重要なのが「運行前点検」。
そこで今回は、安全運転管理者が行うべき「運行前点検」の義務についてご紹介したいと思います。
運転者本人の点検が第一!
安全運転管理者にとって、運転者本人の点検が第一にすべきことです。運転者が正常な運転をできる体調かどうかを、点呼によって確認。飲酒、過労、病気といった状態にないかを確認した上で、安全な運転を確保するための必要な指示を行います。
確認しなければならない車両点検項目とは?
運転者本人の点検が済んだら、次は車両点検です。安全運転管理者は以下にあげる車両点検が適切になされているかどうか、運転者本人への点呼・確認を行います。
(1)タイヤについて
- タイヤの空気圧が適当か
- タイヤに亀裂や損傷、摩耗がないか
- タイヤの溝に釘や石等の異物が刺さってないか
(2)ライト
- ヘッドライト、バックライト、方向指示器等が正常に点灯するか
- 汚れや損傷等がないか
(3)ブレーキ関連
- ブレーキの利き具合が正常か
- ブレーキペダルの踏み込み具合に異常がないか
- サイドブレーキの引きしろに異常がないか
- ブレーキオイルは十分な量にあるか
(4)燃料装置、冷却装置、潤滑装置
- ガソリン等の燃料が十分な量にあるか
- ラジエータの冷却水は十分な量にあるか、また水漏れをしていないか
- ファンベルトの張り具合は適当か否か、またベルトに損傷はないか
- エンジンオイルが適当な量にあるか
(5)ワイパー、ミラー
- ワイパーが正常に作動するか
- ウォッシャー液が適切に噴出するかどうか、また適切な量にあるか
- ミラーに汚れや破損がないか
(6)備品の確認
- 発炎筒はあるか
- 懐中電灯はあるか
- 停止表示機材はあるか
- スペアタイアはあるか
- タイヤチェーンはあるか
- ジャッキはあるか
- 工具はあるか
- 車検証はあるか
- 車両保険証があるか
今回ご紹介した点検項目以外にも、営業車の利用実態に応じて独自の項目を点検しましょう。多くの事業所では、今回ご紹介した点検項目を加えた独自のチェックシートを作成して、点検内容の徹底と確認状況の統一化を図っています。運行前点検の義務をしっかりと果たすためにも、適切なチェックシートを作って安全な運転を管理してください。